ごん太の旅日記

鹿児島県 姶良郡 溝辺町

平成17年 2月 6日(日)

 いまから約百年前、開業初日の嘉例川駅ではきっと、燕尾服や礼服、着物などで着飾った人たちが、手に手に、日の丸の小旗を持って、この駅舎に集まって、鹿児島から来るはじめての汽車を心待ちにうれしい心で「ワイワイ」云いながら・・・
時折、プラットホームに出て、汽車は「まだかいな」と首を伸ばして眺めて見たりしていたのだろうか・・・
 きっと、明治36年のお正月の15日には、そんな、うれしい光景がこの嘉例川駅で見られたのでしょうね。
 ごん太君には、そんな「うれしい心」が、この百年の歴史のある駅舎の中から、匂ってくる香りとして感じるのです。
もうすぐ、桜の季節です。この駅舎には、桜の花と、汽車を感じさせる黒塗りの「はやとの風」(列車名)が似合うのです。
 ごん太君は考えました。
もし、くいしんぼうのご主人さまをこの風景に持ってくるとしたら・・・
山下清さんのような着物を着せて、この駅舎のベンチに腰掛けさせ、竹の皮に包んだ「おにぎり」と「めざし」を両手に持って、ほっぺにご飯粒をくっつけながら、無心に食べている、「旅人役」、が一番似合うのです。
 そんなことを、ごん太君が考えているとも知らずに、「はやとの風」が来るのを待っているご主人さまでした。



「百年余の歴史 かれいがわ駅舎」


「はやとの風」

「百年余」

「駅舎のベンチ」

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